ずっと隣りにいて。
それがずっと続いていくと思っていた。
疑いもしなかった。
哉太と俺と……月子。
三人でずっといるのだと。
だけど……それは何も変わらないと言うこと。
気の許せる幼馴染。
傍で眠ってしまえるほど安心な……存在。
「ご、ごめんね。私寝ちゃってた!?」
「いいよ……って言いたいとこだけど、無防備すぎ。幼馴染の俺だからいいけど、気をつけるんだよ」
眠りから覚めたお前に微笑んで。
胸の痛みに目を背ける。
「だって、錫也といるとつい安心しちゃうんだもん」
「そっか……」
嬉しかったはずの信頼が苦しいなんて。
こんな感情知りたくなかった。
誰よりも変わりたくないと望んでいたのに、変化を求めているなんて。
一人の男としてみて欲しい。
幼馴染じゃなく、俺個人を。
お前が幸せなら俺も幸せだと、今はもう思えないから。
他の誰かじゃなくて、俺がお前を幸せにしたいから。
「錫也?」
呼びかけに顔を上げると、俺を覗き込むお前の姿。
「悪い。ちょっとぼおっとしてたみたいだ」
「錫也が珍しいね。もしかして具合悪い?」
そう言って伸ばされた手を掴んで、胸の中へと抱き寄せる。
「月子……好きだよ」
頬を染めるお前にキスをして。
愛の言葉をねだった。