思えばずっと前から

仲花15

「仲謀って時々すごく男前だよね」

本の白紙が埋まり、二人で過去に飛ばされた時。
黄巾党の反乱を成功させ、これで元の世界に返すことができると思いながらも、もしも失敗したらとの不安を抱えていた花に仲謀が告げた言葉。

『その時は腹くくってやるよ。どうせお前一人じゃどうしようもないだろうしな』

俺様で、けれども温かみに溢れたその言葉は花を優しく後押ししてくれた。

「はあ? 俺様はいつも男前なんだよ!」
「…………」
「なんだよ、その間は!」
「……うん。仲謀はすごくカッコいいよね」
「!!!」
「仲謀?」
「おまっ……今のはやばいだろ!」
「?」

思いがけず素直な返答に顔を赤らめた仲謀の気持ちをわからず小首を傾げた花にため息をつくと、腕を引く。

「きゃっ!」
「可愛いこというお前が悪いんだからな」
そう言い訳すると、何より甘い唇を吸った。
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