■第3回座談会テーマ『藤堂家』
ここは不思議な不思議なパラレルワールド。
愛する夫と幸せに暮らす千鶴が、枝分かれた先で別の運命を歩む千鶴たちと出会い、座談会を開いていた。
【藤堂夫人】 こんにちは
【天 の 声】 ようこそいらっしゃいました藤堂夫人! 実はそれぞれの旦那様の床での様子を伺っていたのですが、ずばり平助君はどうでしょう?
【藤堂夫人】 え? 床の様子って……突然そんなこと……っ
【天 の 声】 なんでも斎藤さんは照れ屋で即意識を飛ばし、原田さんは激しくて一晩に何度も。沖田さんは過去の経験について聞くと危険で、土方さんは夢の世界に行かれる……とのことでした。
【藤堂夫人】 一晩に何度も!? ……身体大丈夫ですか?
【天 の 声】 やっぱりそこ、驚きますか。
【原田夫人】 そんな……土方さんのところだって、意識がなくなるほどだって仰ってたじゃないですか。
【藤堂夫人】 意識がなくなる!?
【土方夫人】 それは、その……私が経験がないからだと……。
【沖田夫人】 私もありませんが、意識がなくなったことはないです。
【土方夫人】 (恥ずかしそうに俯く)
【天 の 声】 で、平助君はどうですか?
【原田夫人】 平助君も左之助さんと一緒に島原によく出かけてましたよね?
【藤堂夫人】 はい。でも平助君、皆で賑やかに飲むのが好きだったみたいです。
【斎藤夫人】 じゃあその………まだですか?
【藤堂夫人】 そ、それは……。
【天 の 声】 どうやらあるようですね(にやり)話を戻します。もちろん藤堂家も夫婦生活はありますよね?
【藤堂夫人】 ……はい……。その、一度だけ……
【原田夫人】 一度だけ!?
【藤堂夫人】 平助君、ずっと悩んでたみたいで。
【土方夫人】 平助君、優しいですものね。
【天 の 声】 で、どうでした?
【藤堂夫人】 そ、その……すごく優しかったです。ただ……。
【天 の 声】 ただ?
【藤堂夫人】 すごく緊張していたみたいで……その……色々戸惑って……。
【天 の 声】 あー、童貞処女同士の初体験状態だったんですね。
【藤堂】 おーい、千鶴ー。
【藤堂夫人】 え? 平助君?
【原田】 なんだ? こんなとこに集まってたのか。
【原田夫人】左之助さん!
【斎藤】 ここにいたのか。
【斎藤夫人】 一さん?
【沖田】 いないと思ったらこんなところで秘密会議?
【沖田夫人】 総司さんも……。
【土方】 よくも揃ったもんだな。
【土方夫人】 歳三さん……どうしてここに?
突然の旦那様合流に慌てる奥様。
【沖田】 で? こんなところで何話してたの?
【沖田夫人】 え? その……。
【原田】 なんだなんだ? 俺達には聞かせられねえような話なのか?
【斎藤】 ……どうやらお前もあやつに聞かれていたようだな。
【斎藤夫人】 え? お前も……って一さんも床での様子を聞かれたんですか!?
【沖田】 ふーん……そんなこと話してたんだ?
【沖田夫人】 斎藤さん……。
見事に誘導にはまった斎藤夫人に、沖田夫人が肩を落とす。
【天 の 声】 ちょうど良いところに! ずばりお聞きしますが、藤堂さんは奥様が初めてだったのでしょうか?
【藤堂】 ……っ!? な、なんちゅーことをあんたは……っ。
【原田】 そんなことねえよな? 確か前に……。
【藤堂】 わーわーわーわー! 左之さん、余計なこと言うなって!
【藤堂夫人】 (ちら……っと夫を見つめる)
【藤堂】 ちげえから! 俺は潔白だ!
【沖田】 潔白って童貞ってこと? そんなの、自慢しちゃっていいの?
【藤堂】 だから! 俺は童貞じゃねえ!
【土方】 平助……誘導にのせられてんぞ。
【藤堂】 !!
【沖田】 なに? 平助が下手くそで童貞と間違えたんだ?
【藤堂夫人】 わ、私はそんなこと言ってませんっ。
【藤堂】 千鶴……そうなのか?
【藤堂夫人】 違うよっ!
【天 の 声】 えー……では戸惑ったというのはどういうことでしょうか?
【原田】 ははぁん……平助、お前、緊張してしくじったのか。
【藤堂】 そ、それは……。
【沖田】 ふうん……それが千鶴ちゃんは不満だったんだ?
【藤堂夫人】 だから、違います! ただ私は、平助君がすごく一生懸命だったって……。
【斎藤】 ……千鶴。それはフォローになっていないと思うのだが……。
【斎藤夫人】 一さん、突っ込んじゃダメですよ。
墓穴掘りまくりで藤堂夫妻そろって落ち込む。
【土方】 で? お前は何を話したんだ?
【土方夫人】 べ、別に……。
【沖田】 千鶴ちゃん?
【沖田夫人】 総司さん、笑顔が怖いです……。
【原田】 俺も聞きてえな。満足してるのかなかなか言っちゃくれねえからな。
【原田夫人】 そんなこと言えません!
【藤堂】 千鶴……ごめん。
【藤堂夫人】 そんな、謝るようなことないからっ。
【天 の 声】 えー入り乱れてきたので本日はこの辺で。
総合判断『ちょっと大変なところもあるが、どの夫婦も円満幸せ』