「わっこれも可愛い!あ、こっちもいいな!」
沢山並んだドレスを、望美が目を輝かせながら選んでいく。
「敦盛さん! どうですか?」
カーテンを開けた先にいたのは、白いシルクのドレスを身にまとった望美。
見惚れ、一瞬反応が遅れた敦盛は、幾分頬を染めながらよく似合っていると評す。
その後も淡いピンクやブルー、Aラインからマーメイドと、様々なドレスを試着する度似合っていると繰り返す敦盛に、望美が頬を膨らませた。
「もうっ! 敦盛さん、さっきからそればっかりじゃないですか!」
「すまない。ただ、あなたはどれを着ても似合っていると思うんだ」
「遠慮しないで、似合わないものは似合わないって言っていいんですからね」
「いや。本当にどれも似合っている。だからそうとしか評せないんだ」
超直球の褒め言葉に、望美の頬が赤く染まる。
そんな微笑ましい2人に、ブライダルフェアの女性がくすりと笑んでカメラを向けた。
「さあ、記念撮影をどうぞ」
「あ、はいっ」
純白のドレスを身に纏った望美の隣りに、タキシードの敦盛が並び立つ。
ヴェールを確認するふりをしながら、覗き見た敦盛の姿。
紫と見紛うタキシードの色合いは、彼を更に凛々しく際立たせていて、望美の胸がどくんどくんと早鐘を打つ。
綺麗で、だけど凛とした男の人。
そんな彼の隣りに、花嫁衣装を身に纏った自分がいることが、照れくさくもあり嬉しくもあった。
「望美?」
「ううん。なんでもないです」
視線を感じ、振り返った敦盛に、ふるふると首を振って、赤く染まった顔を隠すようにカメラへと向き直る。
今はまだ、写真の中でしかなれないけれど。
いつかこうして、彼の隣りに本当の花嫁として純白のドレスを纏って並び立てたらいいなぁ、と思った。