「ん……」
そっと寄り添い、キスを交わすと、望美は甘えるように敦盛に寄り添う。
「えへへ……」
幸せそうに微笑む望美に、敦盛も嬉しくなる。
「敦盛さんがこうして私の傍にいてくれるのが、とっても嬉しいです」
「私もだ、神子」
「“神子”はなしですよ。“望美”です」
「の……望美」
躊躇いながらも呟くと、顔を赤らめ瞳をそらす。
そんな敦盛に、望美が幸せそうにすり寄る。
「そういえば、敦盛さんってキス上手ですよね」
「な……っ」
望美の言葉に、敦盛が更に顔を赤らめる。
「……もしかして誰かとキスしたこと、あるんですか?」
「そのようなことはあるはずがない!」
「だって、敦盛さんの世界って結構早熟ですよね?」
望美の世界よりも性に関しては早いあの世界でなら、敦盛が女性との経験があってもおかしくない。
そう考えて、望美がちょっと落ち込む。
「私は14で亡くなった。女性とそのような関係になるわけがない」
真顔で告げる敦盛に、望美が驚いて振り返る。
「敦盛さん……そんな早くに亡くなってしまったんですか?」
「ああ……だから私がその、女性と関係を持つようなことがあるはずもない。
怨霊となったこの身で、そのような浅ましい真似は出来ようもないし……」
「敦盛さん!」
また自分を否定しようとする敦盛に、望美は両手で頬を包み込むと、ぐるんと自分の方へ向き直らせる。
「敦盛さんは全然穢れてなんかいません!
敦盛さんが触れることで穢れることなんて、絶対ないです! だからそんなふうに自分を卑下するような言い方しないでください」
怒りと悲しみをこめた望美の言葉に、敦盛はふと瞳を緩ませると頬を包む掌に自らのを重ねる。
「ああ……そうだな。すまない」
「私こそごめんなさい。変な焼きもち妬いたりして」
言って、そっと敦盛にキスをする。
「私は敦盛さんが好きです。あなたが何であっても、この先どうなるのか分からなくても。それでもあなたと共に生きていきたいんです」
まっすぐに見つめて告げる望美に、今度は敦盛からキスをする。
「ああ……私もあなたと共にありたい。この身がある限り」
ぎゅっと強く抱きしめられ、望美は嬉しそうに微笑む。
「でもやっぱり敦盛さんってキス上手ですよね?」
「み……望美!」