ギュッと抱きつかれたと思ったら「好き、って言って」と乞われ、フェリチータの頬を両手で包み込んでキスをする。
「……こんなに好きなのに、伝わってなかったですか?」
「もっと言ってほしい」
ルカは言葉よりキスの方が多いと言われて顔を赤らめると、すみませんとキスを落として好きですと告げる。
「……また」
「これはその……お嬢様のことが好きだから触れたくなるんです」
「それは同じ」
同意を示すフェリチータに顔を輝かすも、でもそれとは別とすげなく一刀両断にされて苦笑する。
大好きですと何度とルカは口にしてきたが、彼女が幼少の頃から口にしていたためか、恋情と家族の情との境がわかりにくいのか、フェリチータはよくこうして二人きりの時に愛情を示すことを求めてきた。
いまだに彼女が恋人になったことを夢のように感じているルカは、触れることでそれを確かめてしまうのだが、恋を夢見る少女のフェリチータにはキスより言葉の方が重いようで、度々こうして怒られてしまっていた。
「貴女が好きです、フェリチータ。私のアモーレ……」
ちゅっと口づけて伝えれば嬉しそうにはにかむ笑顔に、こんなにも喜んでくれるなら何度だって伝えたいとキスの雨を降らせて、しつこすぎるとフェリチータに蹴られたのはこの後のこと。
2018ハロウィン企画