La festa sportiva

ファミリー4

「すぽーつ★でゅえろ?」
緊急招集に集まれば、モンドから告げられた言葉は【すぽーつ★でゅえろ】。

「モンド。どういうことだ?」
「パーパ……またそんなことを……」
「この前の『ごちそう★でゅえろ』の続き?」
「バァカ。『すぽーつ★でゅえろ』だって言ってんだろ」

様々な反応を返す幹部たちに、スミレは扇で口元を隠しながらふふっと微笑み皆を見た。

「そう。ジャッポネには協力・調和・連帯感・団結力を養うものとして、運動会という行事が盛んに行われているの」

「このアルカナ・ファミリアにも多くのファミリーが集まってくれた。そこで皆の連帯感をさらに深めるために、『すぽーつ★でゅえろ』を開催をすることにした」

「もちろんあなた方に拒否権はないわよ?」

モンドとスミレのいつもながらの唐突な命令に、幹部連中は深々とため息をつく。

「そういえばこの前、お嬢がメイド一日体験っていうのをやった時、パーパが異様に喜んでなかったか?」

「あれから様々な衣装を取り寄せて、フェリチータに蹴り飛ばされていたな」

「……目的はそれだなァ」

「ねえねえ? それで、『すぽーつ★でゅえろ』って何するの?」

「それは私たち、メイド・トリアーデが説明します!」

パーチェの問いかけに答えたのは、こういう時の仕切り役・『メイド・トリアーデ』の3人。

「『すぽーつ★でゅえろ』とは、定められた競技を2人1組でこなし、勝ち負けを競います」
「勝者には『一日パーパ』の権利を与えよう!」
「またそれかよ……しょぼいな」
「でもパーパの命令は絶対なんだろ? だったら……」

じっと集まる視線に怪訝な表情を浮かべるフェリチータ。
幹部の男たちの脳内には、様々な衣装をまとった彼女の姿。

「それではここに『すぽーつ★でゅえろ』の開催を宣言します!」
スミレの言葉を皮切りに、アルカナ・ファミリア総出の大運動会が始まるのだった。
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