告げられた真実。
真の八葉は自分ではなく、兄だったと。
捕らわれたのが兄ではなく自分だったのなら、兄は陽炎になることもなく、無念を抱くこともなかったと。
突きつけられた事実はチナミが自らの記憶を封じるほど、酷く辛いものだった。
それでも。
苦しみの中で思い出したのは、兄たちと目指した志。
誰もが平和で穏やかな日々を送れる世の中を取り戻したい。
皆で笑いあえる国にするために。
「うん、一緒に頑張ろう」
微笑み、手を取る存在。
悲しみと憎しみに捕らわれ、絶望し、失って。
それでもずっと隣にいてくれた、かけがえのない存在。
百の真実に押しつぶされ、埋もれようとしていたチナミを救ったのは、揺るぎない一つの想い。
大切な人を守りたい。
あなたを。
お前を。
「チナミくん」
柔らかな声に振り返り。
お前の元へと駆けていく。
ただ一つのかけがえのない存在に。